a luz da luna
2011/09/13 23:54:39
「オレさぁ月にうさぎがいるって信じてたんだよな・・・」
「イタリアでも?そんな昔話あるの?」
「日本のばあちゃんから教えてもらったんだよ」
彼は父親がイタリア人と日本人のハーフで
母親がイタリア人
日本のばあちゃんとは
父かたの祖母っていうことね。
彼の母親はイタリア人だけど
普通の日本人よりも日本人の感覚をもっている女性で。
それでいて物事にはとらわれないステキな方なのです。
彼よりも8歳年上の私の事も認めてくれていて
たまにメールをいただいたり
2人でランチにでかけたり
なかなかいい関係なのです。
彼の日本人離れした端正な顔立ちと
蜂蜜色の魅惑的な肌の色は
イタリアの血が入っている故なのです。
部屋の灯りを全て消して
月明かりのだけで
二人よりそってカンパイ。
49階の窓から見る
東京の満月・・・
なんて綺麗な月・・・
もしかして・・・
あなたは本当は月からやってきたの?
a luz da luna
歌うように囁く彼の声に
そっと目を閉じた・・・
「スペイン語・・・?」
「大学では第二外国語として選択したんだ」
mi amor・・・luna
「ルナ・・月の女神っていう意味の名前でしょ・・・
ルナ・・僕の・・・女神だよ」
月明かりの下で・・・二人の影はひとつになって揺れていた。