新しいテーブル
2011/09/14 16:57:22
「今日やっとテーブルが届くよ」
それは彼が撮影で海外へ行ったとき
一目ぼれしたテーブル。
船便で4ヶ月かけてやってくる
朝から部屋へこもり
片付けをしていた彼が
タオルを手にリビングに顔を出した。
「シャワー浴びてくる。」
バスルームに消える彼の背中を見送り
彼の部屋をそっと覗いてみた。
ほぼ衣裳部屋と化している12畳大の部屋
窓際にテーブルを置くスペースを確保した様子
夕方近くなって
テーブルがやってきた。
荷解きをして
窓際におかれたテーブルは
彼の部屋の雰囲気にすぐに馴染んで
もうずっと前からそこにあるみたいだった。
「ルナ、見て!いいよねコレ。長く待った甲斐があるよね。
なんだかオレ勉強したくなったよ」
そういうと
何故かテーブルに腰掛けた。
「ちょっとそれ違うかも」
そうからかう私にとびきりの笑顔で
「あ、いけねっ」と
おどけてみせる彼なのでした。
そこにもう一つ荷物が届いた。
それは彼の母からの宅配便で
中には殻つきの牡蠣がたくさん入っていた。
行きつけの店からたくさんもらったから
送るわね。と
昨日メールが来ていたのを思い出した。
今夜は美味しい牡蠣と
美味しいワインで
美味しい夜を過ごそう
と彼は張り切って牡蠣の殻を上手に剥いた。
食事の後
彼の母に電話をした
「thanks mam」
なぜか英語でお礼をいう彼なのでした。