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夕焼け 

彼と初めてごはんを食べにいってからあと

私と彼は
1か月に1度位の割合で会って・・・

ご飯を食べたり
たまには飲みに行ったりしながら
少しずつお互いの距離を近くしていった。

 


そんなある日
彼とドライブすることになった。


箱根をまわって
富士山の方まで
少し遠出のドライブだった。


2人でいることが
心地よいと思い始めた頃だったけど

車という狭い空間に
ずっと2人でいることに
緊張してしまい

私は気分が悪くなってしまった。

 

ちょうど仙石原のあたりを走っていたので

「少し歩こう」と
車の外に連れ出してくれた。

 

 

仙石原はススキが見ごろを迎えていた。

 

彼は青白い顔をした私を心配してくれて
私の隣をゆっくりと歩いてくれた。

 


午後の柔らかな陽射しで
ススキの草原は
黄金に染まり


私と彼を暖かく包んでくれた。

 

私たちはどちらからともなく手を繋ぎ
黙ったまま歩いた。

 


気が付くと
黄金に輝いていたススキが
オレンジに染まり始めていた。


見ると
綺麗な夕焼けが目の前の広がっていた。


風でススキが揺れるたびに
オレンジ色も揺れて


夕焼けの海の真ん中に
いるみたいだった。


 

 

彼と私は
しばらくその景色に見とれていた。


 

と、
突然
彼が私を抱きしめた。

ふわっと
緩く
包み込むように
優しく抱きしめてくれた。

 

そして
彼は
そっと
遠慮がちに
キスをした。


 


「手が冷たい・・・」
私の手を取り
彼がつぶやいた。

 

「車に戻ろうか・・。もう・・大丈夫?」


私は小さくうなずいて
彼と手をつないだまま
ただ黙って
彼の隣を歩いていた。

 

 

車に戻る頃
あたりは少し薄暗くなり始めていた。
彼は
なぜか
いつもよりもよくしゃべり
私は
なぜか
いつもよりも黙っていた。

 

 

彼の予定では
そのあと
温泉であったまって
食事をして東京に戻る。
ということになっていた。

 

でも
予定よりも時間が遅くなってしまったので
食事を先にすることになった。

 

おいしいと評判の日本蕎麦の店に入り
料理を待っているとき・・・


「怒ってる?」
突然彼が聞いてきた。


「怒ってないよ・・・。どうして?」


「だってしゃべんないし・・・」
少しすねたような口調で彼が言う。

 

「ごめんなさい」


「なんであやまるの?」


「・・・・・・。」


「あやまるのは俺・・・。俺あんなこと・・・イヤだった?」

 

「イヤじゃない・・・。けど・・・」

 

「けど?」

 

「あなたの気持ちが・・・わからなくて」

 

「俺・・・」


「年上の私をからかってる・・・」

 

「からかってなんかいない。俺スキだし」
真顔。

 

真顔で私を見つめる
彼の真剣なまなざしに
私のココロは完全に
撃ち抜かれてしまった。

 

 

 


このあと
どうやって
おそばを食べたか覚えてない。

 

 

頭がぐるぐる
パニックになって・・・・

 

 

 

 

 


 

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HN:
luna
性別:
女性
自己紹介:
彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
あなたもlunaと一緒にステキな妄想してみませんか。
できれば「luna=あなた」で妄想しながら読んで下さい。