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クルージング 

デッキに出ると
彼はクルーザーの突端へ向かった

そして両手を空に向かってバンザイをするように大きく広げた
クルーザーから落ちてしまうんじゃないかと心配になった私は
彼の後ろから彼の腰にしがみつくように手をまわした


「これじゃ組体操だな」
彼はそう言うと
私を前に立たせて後ろにまわった


「はい、ルナ」
彼が促す


「嫌よ」


「何で」


「だってなんか恥ずかしい・・・」


「いいじゃん。やってよ」


そう言うと彼は私の両手を肩の高さまで持ち上げた。


タイタニックの真似だった。


頬にあたる潮風が冷たい

私は両手を広げて目を閉じた
彼が耳元で囁く

「Open your eyes」



見渡す限りが海で
遠くに富士山の姿も見える

海面は柔らかな初春の太陽に照らされて
キラキラと輝いていた


「気持ちいい」
胸いっぱいに大きく息を吸い込む

もう一度目を閉じて
太陽を仰いだ


すると彼が耳元でそっと言う
「キスしよう」


「ダメよ・・・今は2人きりじゃないんだから」
上げていた手をおろし
私の腰をホールドしている彼の手の甲をそっとつねった。



彼は「んふふふ」と笑い
私の手を引いて
キャビンへ戻った




どうしてもクルーザーでクルージングしてみたいと言う彼
私は父に頼んで
逗子マリーナにクルーザーを所有している友人を紹介してもらった。

たまたまクルージングパーティを開催する日と
彼の休みが重なったので
飛び入りで参加させてもらうことになったのだった。


クルーザーのオーナーは外国人で、パーティーに参加している人たちも
多国籍な感じだった。





彼は相変わず年上の方からの受けが良く
クルーザーについて色々教えてもらっている様子だった。



目を輝かせて説明を聞く彼は
心の底から今日のクルージングを楽しんでいる様子だった。






私は贅沢なこの時間を
ひとり海をみながら過ごしていた。


午後になると
次第に波が高くなり
クルーザーが波の影響を受け始めた。

私は気分が悪くなり
最後はダウンしてしまった。





意識がハッキリ戻った時には
鎌倉のホテルのベッドの中だった。

今夜は鎌倉プリンスに一泊することになっていた。



隣には枕に顔を埋めて眠る彼がいた。



私はそっとベッドを抜け出して
窓のところまで行ってみた・・・


見慣れない風景が広がっている。
遠くの方に灯りが見えた。
江ノ島の灯台だった。
一定のリズムで変化する光の帯を
不思議な感覚で見ていた。

暗い・・・
と感じたのは
目の前に海が広がっていたからだ・・・・

静かな夜の海が横たわるように
そこにあった。


いつも見ている
キラキラ輝く都会の風景とは違う景色だった。





その時
ふわりと後ろから抱きしめられた


「ルナ・・・もう大丈夫?」
優しい彼の声


「ごめんなさい。せっかくの楽しいクルージングだったのに・・・」


「俺・・・ルナをほったらかしてクルーザーに夢中になっちゃって・・・ごめん」


私を抱きしめる彼の手にそっと私の手を重ねた


「いつか俺が操縦するクルーザーで二人だけでクルージングしよう・・・」



私はまだ体が浮いているような感覚が残っていて少しフラフラした。



「でもその前に・・・今夜はルナと・・・ナイトクルージング・・・」



よろける私を彼はそっと抱き上げてベッドに運んだ。





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luna
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彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
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