彼が帰宅したとき
私は翌日に備えて
仕事のスタッフに渡すチョコを作っていた。


トリュフのガナッシュをチョコでコーティングする作業を繰り返し
できたチョコを綺麗にラッピングしていた。




おかえり

ただいま


軽くキスを交わすと


彼はチョコをつまみ食いした



ん～うまい



子どもみたいに嬉しそうな顔をしながら


もう一個食べていい？

と、聞く



いいよ。
はい、これ


私は
ガナッシュ３つをひと組にしてラッピングしたチョコを渡した。







彼はチョコをラッピングしてあった細い金色のリボンをほどくと
私の左手首にまきつけ
ぎこちない手つきでリボン結びにした





俺にくれる？

首を右に傾けながら聞く




何を？


向かい合わせの私は首を左に傾ける



これ



リボンが結ばれた左の掌を
彼は自分の唇にあてて・・・こう言った・・・




ルナが欲しい・・・



さっきチョコをねだったいたずらっ子のような表情は消えていた



射抜かれるように見つめられて
私は眩暈を起こしそうだった・・・





彼に力一杯抱きしめられた


Valentine day　ｋｉｓｓ



彼のキスは
さっき食べたチョコの味がした










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