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雨の匂い彼の匂い 

リビングの窓を開けて
外の様子をうかがっていた彼が

「雨の匂いがする・・・」と
言いながら


私のところへやってきた。


今夜から1週間
仕事で海外へ行く彼。

 

そろそろ出発の時間。

 


「ルナと1週間も会えないなんて・・・さみちぃ」
とわざとおどけてみせる彼。
そして後ろから私を抱きしめて


「ねぇ・・・ルナ・・・」
とありえない事を言う。


私の手を引っ張り
寝室のドアを開けようとする彼の手を
ふりほどいて


「飛行機に乗り遅れる!!」と
ぴしゃりと言い放った。

 


彼はわざと拗ねたような顔をして
「じゃあ・・・・帰ってきたら・・たっぷり・・・」


私はそれ以上言わせないように
彼の口に手を当てた。


そんな私の手を
もぐもぐ食べるようなしぐさをする彼が
たまらなく愛しく感じた。

 

 

リビングを出る時
誤って彼のコロンの瓶を落としてしまった。

蓋を閉めていなかったので
中の液体が
ラグの上にこぼれてしまった。


でも
時間がなかったので
そのままにして出かけた。

 

 

空港まで送り
一緒に軽く食事をして

私は彼の乗る飛行機を見送ってから
マンションの部屋へ1人戻ってきた。

 

 

 

リビングのドアを開けたとたん
私はその場から動けなくなってしまった。

 


出がけにこぼしたコロンのせいで
部屋中に彼の匂いが充満していたのだ。

 


あまりにも濃厚なその香りに

私は外の空気を入れたくなり
窓を開けた。

 

「雨の匂いがする・・・・」

さっき彼がつぶやいていた言葉を反芻してみた。

 

**************

 

 

シャワーを浴びてから
ベッドへ入った。

彼が好きな大きなベッド


一人で寝るには大きすぎる。

 

 

私は彼の枕に顔をうずめた・・・・

 

そのとたん
胸が締め付けられるように切なくなり
涙があふれて止まらなくなってしまった。


いつも彼の腕の中で感じる彼の匂いが
私の感性を刺激してしまい・・・


こんな事なら
さっき
彼を受け入れてあげればよかった・・・と
後悔した。

 

 

激しく降り出した雨が
窓を濡らしている。


私は泣きながら
眠りの森へおちていった・・・・

 

 

 

 

 


 

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HN:
luna
性別:
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自己紹介:
彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
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できれば「luna=あなた」で妄想しながら読んで下さい。