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浴衣 

タクシーが停るのと同時に
手に持ったスマホがLINEの着信音を鳴らした。




彼からのメッセージが表示された。

「今日は予定が変更になって早く帰れたよ」




私は素早くタクシーに乗り込むと運転手さんに行き先を告げた。



そして意を決して電話をかけた。



「ごめんなさい・・・。どうしても抜けられない用が・・・。」


「うん・・。そう・・・。ホントにごめんなさい・・・。」



私は電話を切り・・・掌でギュッとスマホを握り締めた。

座席に深く座ろうとしたけど
帯が邪魔で、私は姿勢を崩さずに
そろそろ帰宅ラッシュが始まりそうな外の様子を眺めていた。




最近の彼は仕事の予定がびっしり詰まっていて
家にも・・帰って来れたり来れなかったり。


夜、家にいることなんて皆無だった。


私は自分の寂しさを紛らわすために
積極的に予定を入れ
夜、家に一人でいないようにしていた。


今夜は仕事仲間と浴衣を着て花火を見る事になっていた。
いわゆる女子会である。

8月だけでも5~6回ある予定だ。

私は美容院で着付けをしてもらい知人宅へ向かうところだった。




彼の仕事は時間が不規則で
特に今のようにドラマの仕事をしているときは
予定が全くあてにならない。

だからたまには今日みたいに嬉しいハプニングも起きるのだ。



私は今夜の女子会を急遽キャンセルした。
知人に連絡した時
彼女は快く私のドタキャンを承諾してくれた。
そんな融通の効く大人の集まりだった。



彼に会うのは何日ぶりだろう・・・


タクシーがマンションに着くと
私ははやる気持ちを抑えきれなかった。



でも慣れない浴衣が私の動作を妨げた。




玄関のドアを開けると
リビングからギターの音が聞こえてきた



「ただいま・・・」
私はそっとリビングのドアを開けた。


「おかえり!!ルナ!」
彼は浴衣姿の私に少し驚いた顔をした。




「今日ね・・・浴衣の女子会だったんだけど・・帰ってきちゃった」




「ルナの浴衣姿見るのすげぇ久しぶり。

なんだか色っぽいな・・・よく見せてよ・・・」

そう言うと
ギターを壁に立てかけて
私のところへやってきた。





そして・・・後ろから私を抱きしめた。





「ルナ・・」




彼が耳元で私の名前を囁く・・・


「髪をアップにしてるルナ・・・ひさしぶり」

そう言うと
そっとうなじにくちづけた。


私は・・からだから力が抜けていくのがわかった。






その時
彼のiPhoneが小さく鳴り着信を告げた。

私を抱きしめていた手を緩めて彼は電話に出た。



私は飲み物をとりにキッチンへ入った。






リビングに戻ると彼は窓際に立って外を見ながら電話をしていた。


仕事の電話なのか彼は手短に電話を切った。




彼は振り返ると


「ごめんルナ・・・11時迄にまた現場に戻らきゃいけなくなった・・・」


と言い・・手に持ったiPhoneで時間を確認した。

「今・・8時・・・」

そして・・ソファの上に・・・iPhoneをそっと放り投げた。


そっと投げる・・・その仕草が彼らしくて
私はなんだかホッとした気持ちになった。






「うん・・・」

私は極力
不満そうな表情を出さないように
笑顔を作って
彼の顔を見つめた。



すると彼が

「ルナ・・ほら・・花火・・・」

遠くの空を指差した。




「今夜は浴衣のルナと花火見物だ」

彼は部屋の明かりを全部消した。



二人で窓際に座り
寄り添って
暫くの間ただ黙って

音のしない花火をじっと見つめていた。





「ごめん・・・」



「どうして謝るの・・・・」



「どうしても・・・」


「謝らないで・・今夜は・・・会えないはずだったのに
ちょっとだけだけどこうやって一緒にいられるから
それだけで嬉しい・・・」



「ルナ・・・」



彼は私の肩を抱き寄せ
私の顎を少しだけ傾けると
その柔らかい唇で私の唇を塞いだ。


彼のキスが・・嬉しかった。


これまでだって何度も・・・
数え切れないほどキスしたのに・・・

彼と私は夢中になって唇を重ね合った。


そして彼は
そっと私を床へ押し倒した・・・


「帯が・・・」


「帯が?」


「邪魔・・・」




彼は私を抱きしめたまま
左手でなんとか帯を解こうと試みた。


なかなかうまくいかない。

だんだんじれてきた彼は中途半端に帯を解いた。


「なんだコレ・・・」


帯を解いてもその下に現れる
何本もの紐に戸惑い
格闘していた。


そんな彼が少し微笑ましくもあった。


彼に浴衣を脱がされるのは初めてだった。


そう思うと少し恥ずかしかった。
私は彼の胸に顔を埋め
彼の香りに包まれながらただじっとしていた。




やがて・・・私の肩に彼の唇が触れた・・・
それは彼が目的を達成した・・ということだった。



こうやって・・・
彼と触れ合うのはどれくらいぶりだろう・・

私は目を閉じて
彼に身を任せた。


彼の・・・いつもの手順が私を安心させた。


私は・・・
彼に抱かれているんだという至福の喜びに包まれた。

頭の先から足の先まで彼の愛で満たされた・・・




目を閉じているのに
夜空に咲く
色鮮やかな花火が見えたような気がした・・・


ドーン
ドーン

音を感じたような気がした・・・




どれくらいの時間が経ったのか・・・

私はまだ彼の腕の中でまどろんでいた・・・


アップにセットした髪は乱れ
彼がやっとの思いで解いた帯はくねくねと曲線を描き
私は肩をはだけて・・・浴衣でからだを覆っていた。



彼がからだを起こして
ソファに投げたiPhoneを取りに行った。



「やべぇ・・・。
ルナ・・・エロすぎ・・・」




私はからだに力が入らず
冗談めかして言う彼を
浴衣にくるまりながら見つめた。




彼はそんな私を抱き上げて
ベッドまで運んでくれた。






「俺・・もう行かなきゃ・・」


「うん・・・。気をつけて・・・いってらっしゃい・・・」


「行ってくる・・」
そう言って唇に短いキスをくれた。


そして彼は部屋を出るときに振り返ると

「愛してる・・・」

と唇だけを動かして
そっと扉をしめた。
















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luna
性別:
女性
自己紹介:
彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
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