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夜中の映画鑑賞会 

最近
映画を観ることにはまっている彼


今夜も夜中の鑑賞会


彼のこだわりで
映画はテレビの画面じゃなくて

コンクリートの壁をスクリーンにしてプロジェクターで観る


いつものように
ソファに並んで座って観た

 

彼の集中力はすごくて
一心に画面を見つめてる

映画の中に入り込んでる感じ

 

 


私は少し寒くなってブランケットを取りに行った。

戻ってくると
彼はソファからおりて
フローリングのラグの上に座っていた


「ルナ、ここ」
そう言って彼の膝のあいだを指差した

私は彼の肩にブランケットをかけてから
彼の前にまわり
膝のあいだに座り
彼の胸に寄りかかった。


ソファに座ってるより
ラグの上の方が
床暖が入っているから暖かい

しかも
彼に後ろから抱きかかえられているので
ぽかぽかと幸せな気持ちだった。

 

 


今日の映画は
ホラー映画だった。


ちょっと怖い場面で
私がびくっとなると

「ルナ、こわいの?」と聞く

「怖くないよ。ちょっとびっくりしただけ」
そう答えても


「いいんだよ~。正直にお言い」
などと何故かおねぇ言葉でふざけたりする


「怖くないってば」
私がそっけなく言うと

「うそだね~」

 

「こうやって俺が守ってあげるから大丈夫」


と後ろからぎゅーっと抱きしめてきた。

 

そしてそのまましばらく映画に集中していると

今度は彼が
怖い場面で
私を抱いている腕がびくっとなった。


私はちょっとおかしくなって
くすくす笑ってしまった。


「なんで笑ってるんだよ」と
拗ねるように言う彼


私が何も言わずにいると

 

「怖い怖い」とふざけて言いながら
ぎゅうぎゅうと腕の力を強めていった。


「もう・・苦しいよ」
と腕をふりほどこうとしても
離してくれない


そうこうしているうちに
二人して床に倒れてしまった。


私たちは
映画そっちのけで
暫くじゃれ合っていた

 


彼は私の胸に顔をうずめて離れない

私は彼をくすぐったりして
なんとか離そうとするけど

全く手を緩めてくれない


いつしか二人は
夢中でお互いをまさぐり合い
競って坂道をかけのぼるように
息をきらしていた


坂の頂上へ先に着いたのは
彼だったのか
私だったのか
それとも同時だったのか・・・・


気がつくと既に映画は終わり
コンクリートの打ち放しの壁には
砂の嵐が映し出されていた
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luna
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彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
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