地球のことば
2011/09/27 23:53:06
「ルナ・・・大丈夫?」
目を開けると
私を覗き込む彼の顔が
優しく笑っていた。
「風邪ひいたみたいなの」
頭が痛くてベッドに入っていた。
彼にはメールで夕飯を作れない事を伝えてあった。
「ゆうべオレがルナの事寝かせなかったからかな」
少しちゃかして言う彼に
私は枕を投げつけた。
「その元気があれば大丈夫だね」
「ルナの好きなコレ。買って来たよ」
彼は私の大好きなスイーツを買ってきてくれていた。
「起きれる?パスタ作ったよ」
彼が作るパスタは絶品。
なんていっても彼にはイタリア人の血が流れているからね。
彼の作ったパスタを食べて
彼の買ってきてくれたスイーツを食べて
少し元気が出た。
夕食の後
すぐにベッドに戻った私のところへ
彼がやってきた。
「今日はオレももう寝るよ」
そう言うと布団にもぐりこんできて
「熱は?」
と私のおでこに彼が自分のおでこをくっつけてきた。
「ん~。熱はないみたいだね」
そう言うとすかさずkiss
「風邪がうつったら大変よ」
私が言っても
彼は平気な顔で左手でピースを作ってみせた。
「ルナ・・・」
「なぁに?」
「地球で共通の地球語があるといいなって思わない?」
「そうね・・・いい考えね。でも何で急に?」
「今日、スタジオにいろんな国の人がいたんだ。」
彼は楽しそうな顔で仕事の話を始めた。
「どこの国の人がいたの?」
「どこだろう・・・とにかくいろんな国だよ。言葉が全然違うんだよね」
「話しできた?」
「できた人もいるし・・・全くできなかった人もいたよ・・・
だから・・・世界のことばがみんな同じならいいなって思ってさ・・・」
彼はそう言うと大きなあくびをした。
「もしそうなったら世界中の美女と話しができるんじゃない?」
私はいたずらっぽく言ってみたけど
彼から何も言葉が返ってこなかった
彼は・・・
既に寝息をたてていた・・・
「はやっ!」
眠りにつくまでたったの10秒・・・
私は彼のおでこに
おやすみのkissをして
スタンドの電気を消した。