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ミサンガ 

乾燥機が運転終了を知らせる電子音で目が覚めた

私は・・・うっかりソファーでうたた寝をしていた。




今朝は4時に出発をする彼を送り出すために
3時半に起きた。

彼は私が作ったスムージーを朝食替わりに一気に喉に流し込むと
慌ただしく身支度を整えた。

玄関まで送り出た私に

「あ、今日は朝のワイドショーチェックしてみて。」

靴を履きながらそういうと

「愛してるよ・・・ルナ・・・」
そういいって
私の頬にキスをくれた。






私はバスルームへ行き、乾燥機の中から洗濯物をランドリーバスケットへ移した。
そのままリビングへ戻り、テレビのスイッチを入れて
乾燥したての洗濯物を一枚ずつ丁寧にたたみ始めた。



彼が言った通り
朝のテレビ番組で
彼が主演するドラマの話題が取り上げられていた。


カメラを手に取り
共演する女優さんを写している



私はたたみかけた彼のTシャツに顔をうずめた
彼の好きな柔軟剤の香りと
彼の匂いが鼻腔いっぱいに広がった。




高層マンションの窓から見える空が
今日はまだら模様になっている。

濃いグレーと
薄いグレーがまぜこぜで
ところどころには白い色も入っている。


私の瞳がまだら模様の空を心の中に写し
気持ちがグラグラと不安定になるのがわかった・・・





お昼すぎ
私は買い物に出た。

帰り道・・・


ポツ・・ポツ・・と雨粒が落ちてきた。


見上げると
空は明るいのに・・・

どこから降ってきているのだろう・・・


ただの通り雨ならいいのだけれど・・
そう思いながらマンションへ急いだ。







しかし次の瞬間・・・

ボツボツとおおきな音を立てて

地面を叩くような雨が降り始めた。

私は驚いて
近くのお店の軒先へ避難した。






閃光が走り
ゴロゴロと雷までが鳴り響いた。







傘を持っていない・・。
私が困っていると

お店のドアが開いて中から女性が声をかけてくれた。

「どうぞ中へお入りください」


「大丈夫ですか?少し雨に濡れてしまいましたね?」
そう言ってタオルで背中を拭いてくれた。


そして・・
「あら・・これ・・」
そう言って左手首のミサンガに触れた。




「もしかして・・・これ・・とってもイケメンの男性にプレゼントされたのでは?」
と女性はユーモア混じりに言った。


私は何て言っていいのかわからずただ黙って微笑んだ。


どうやら私が雨宿りさせてもらったお店は
この前彼が言ってた
ハンドメイドのお店だったようだ。



「今日さ新しい店見つけたよ」

家の近所を散策していて見つけたというそのお店は
ハンドメイドの
可愛らしいお店だということで
彼は私にミサンガを買ってきてくれた。

そしてそのミサンガを私の左手首に巻いてくれてたのだ。




「すみません・・・雨が小降りになるまでちょっとお邪魔してもいいですか?」

「もちろんです。どうぞよかったらお店の中見ていってください」


お店の中は彼から聞いた通りで
いろんな不思議な小物が飾られていた。

その中に彼が買ってくれたミサンガと色違いのミサンガが何点かあった。

私は彼に似合いそうな色のミサンガを手に取った。




お会計をしてもらうとき
女性が
「これ・・・全部手作りなんですけど・・一点ものなんですよ」

とても柔らかい笑顔で私を見つめながらそう言った。





っていうことは
このミサンガは彼が私の為に買ったということがバレバレなわけで・・・

私はもう
降参せざるを得なかった。



「これ・・・すごく気に入ってます・・・」
私は再び左手首に巻かれたミサンガに手をやった。



ミサンガをお店オリジナルのポチ袋に入れながら
嬉しくてたまらないという表情でその女性は話を続けた。


「これをお選びになるとき・・・
こちらの色とどちらにしようかとても迷ってらっしゃったんです。
プレゼントされる方のイメージをお聞きして少しアドバイスさせていただいたんですけど・・・
最終的には・・いまお客様がなさっているミサンガをお選びになったんですよ。
こうやって身につけていらっしゃるのを拝見すると・・・
イメージにぴったり・・・ですね」


「そしてお客様がお選びになったこのミサンガも・・彼のイメージにぴったりですね・・・」


私は
胸がいっぱいになってしまった。

不安定な気持ちは
ちょっとした事で刺激を受けてしまう。

もしかしたら
目に涙が溜まっていたかもしれない・・・



女性は
ミサンガを入れた袋を私に渡すとき


「だいじょうぶよ・・」
と言うように

私の目を見て頷いた


「応援していますよ・・・」
その言葉に媚は全く感じられなかった。

女性の暖かい気持ちが心に染みた。





「またいらしてください。ありがとうございました」

歌うような優しい声に背中を押されて
私はお店をあとにした。


気がつくと
いつの間にか雨は止んで雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。


今日はロケ・・

もうこれ以上・・雨に邪魔されませんように・・・・


私はミサンガに手をやり
願いをかけた・・・




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HN:
luna
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女性
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彼の日記を元にlunaが妄想で日記を書いてます。
もちろん全部フィクションです。
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